心吾と同じで背が高い直哉先輩を見上げると、いつもニコニコしている彼が真顔であたしを見ていた。 思わずドキッとした。 「何かあった?」 『…え。』 「…ねぇ、結城さん体調悪いから休みって先生に言っといてくれないかな?」 近くを通った体操服の女の子に直哉先輩が笑顔で言った。 頷いたのを確認すると、グイっと手を握って強引に引っ張られた。 美華が今日はたまたま休みで、あたしは少しホッとしていた。 だけどやっぱ考える事はいつも同じで顔に出てしまっていたのかもしれない…