「名前、教えてくれる?」 にっこり笑ってそう言う直哉先輩に恐る恐る答えた。 『心亜です。』 「ここあ? 可愛い名前だね。」 楽しそうに言って壁にもたれた直哉先輩をあたしは不安気に見つめた。 「好きなんだ?」 唐突にそんな事を聞かれて、ドキッとした。 言うべきか言わないべきか…。 『…片想い…ですけど。』 「………そう。 でも大丈夫だよ。 あいつは誰とも付き合う気ないから告白されても断ってるよ。 心亜ちゃんが頑張れば君には可能性あるんじゃないかな?」