親父が俺の部屋に入る事なんて滅多にない。 なので驚いていると、親父は偉そうにベッドに座った。 「お前さ…社長の息子っての、嫌か?」 『え?』 床にあぐらをかいて親父を見上げると、無表情で俺を見ていた。 『…まぁ、嫌かな。』 「……そうか。 俺も嫌だったんだ。 社長の息子だからって皆にチヤホヤされて、勝手に社長にされて。 結局今は楽しくやってるけど、俺はお前に親の勝手で無理に面倒くさい仕事させたくねぇんだよ。」 『…親父も、嫌だったのか?』