そこは、小さな公園だった。


「なんで公園?」


「まぁまぁ、もうすぐ分かるよ。」


彼女はそう言ってベンチに座ったので、俺も隣りに座った。


「あ、来たっ!!」


来た?


彼女は近くの地面を指差す。


「うお…」


そこには、オレンジの大きな夕陽の中に、黒いハートが入ったものが写し出されていた。


「あの滑り台についてるハートの影とね、夕陽が重なる瞬間を見たカップルは、永遠に結ばれるっていうジンクスがあるんだよ。」


ニコニコ笑いながら説明する彼女が、とても愛しく思えた。


「たしかに、お前とならずっと一緒にいれそうだ。」


「あたしも、そう思う。
こんなに映画極めてる人、初めて会ったもん。」


え……?


「お前も、映画マニアだったのか?」


「うん!」


そう言った彼女の手を握り、俺達はその公園をあとにした。