そんなことを言っている間にも矢は次々と飛んでくる。気が付けば、徐々に奥のほうへと後退させられていた。

しかし私はアレックス一人をこの場へ残し、エドのように自分だけが逃げることもできなかった。

他人から見たら「甘い」、と言われるかもしれない。だが私は短時間で、最良な策を講じられるほどの修行経験を積んではいない。私はまだ半人前なのだ。

「そんなことどうだっていいから、早く!」

私は焦りながらアレックスの鎧を力一杯引っ張った。