炎と風が掻き消えた後に現れたものは、焼け焦げて身体を八つ裂きにされたヴォーウルフの遺体だった。ここにいた十数体の敵が全て倒されていたのだ。

後続でやってきたヴォーウルフも4〜5匹ほど離れた場所に見えるが、この二人なら楽に倒せるだろう。

私は彼らの戦いを、間近で一部始終見ていた。

その間、何もできなかったのだ。

私はただ、指をくわえて見ているだけだった。圧倒的な力の差を見せつけられただけだった。

内心では自分も一緒に戦えるかもしれないと、いつでも飛び出していけるよう身構えていたのだが、その考えが甘かったことを改めて思い知らされる。

ヴォーウルフ1匹でさえ倒せなかった私があの場所へ行ったところで、何もできるはずはなかったのだ。最悪、二人の足まで引っ張るかもしれない。





―――私はその時に決意した。