少し歩くと、エドの姿が見えてきた。

どうやらその場で立ち往生しているようだった。その先に道はなかったのである。

「これといった仕掛けは、なさそうね」

私は突き当たりの岩壁を、軽く数回叩きながら呟いた。

この洞窟は他に脇道もなく、今までずっと一本道だった。つまりここはごく普通の、なんの変哲もないただの洞窟だということである。

「というわけで、戻りましょうよ」

私はくるりと踵を返す。