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「へぇ~…、知らなかった。
圭史が家庭教師のバイトをしてたなんて。
だってお前、カフェのバイト、結構、実入りがいいって言ってなかったか?」
頬杖をついた形で、雅紀は俺のことを見てくる。
確かに、雅紀にはそういうことを話した気がする。
実際、俺はあのバイトだけでもやっていけると思ってたし―――…
「まあ、親からの頼み?
知ってる子だし、無下に断ることもできなかったんだよ」
かっこ悪いから、親に脅されたなんてことは言わない。
だけど、「ふ~ん」とわかってくれた雅紀とは逆に、またも誠が興奮気味に聞いてきた。
「で?
その子って、可愛いの!?」
こ、こいつの頭の中にはいつもそれしかないのか?
冷めた目で誠のことを見ながらも、俺は茅乃のことを思い出す。
「まあ、可愛いんじゃねぇの?」
ただし、彼氏とか男関係は全く音沙汰がなさそうだけどな。
昨日のあの反応。
あれは、絶対に男の経験なし。
自分でもキスも初めてだとか言ってたしな。


