「だけど、そうだな…。

気長に待ってやるけど、初心者の茅乃にはいろいろと一から教えてやらないとな」





 な、な、なんですと~~~!?





 唖然としているあたしに、圭くんはニヤリとこれまたすごく悪巧みを考えている悪魔のような笑みを浮かべる。


 顔が整っているだけに、その笑みがサマになっていたりするからムカつく。


「勉強は教えてやっているから、今度はラブレッスンも授業内容に付け加えてやろう…」


「け、結構です!」


「まあまあ、そう遠慮しなくてもいいから。

無料(タダ)だぜ、無料(タダ)」


「無料(タダ)に、乗せられたりしないから!」





 第一、そんなもん、お金をくれるって言われても、願い下げだ!


「まあまあ…。

今日の初日のレッスンとしては―――…」





 乱されていた服の中に、圭くんの綺麗な手が入り込み、あたしは「ひゃあ!」と奇声を上げる。


「ちょっと、何する…」


「レッスン中は静かにするものだろ?」





 人差し指を口の前に置かれて遮られるあたし。


 って、そんなの大人しく聞けますかっての!


「これからは、子供の茅乃ちゃんに大人のめくるめく世界を一つずつ教えてやるからな」





 ウインクをされてしまい、固まってしまったあたし。


 これって、かなり状況的にやばくないですか?