「ああ、望むところだ」
「うわっ!」
ニッと圭くんは笑うと、急にあたしのことを引き寄せた。
突然のことだったから、あたしは体勢を崩してしまい、圭くんの胸の中へ。
不可抗力である、自分だけど、何はともあれ、圭くんの腕の中にすっぽりと納まってしまっている自分の姿はなんとも言いがたい。
だって、二人きりの時ならまだしも、今はこの場に圭くんのお友達であるコウさん、雅紀さん、誠さんが居るんだよ。
見られてるんだよ?
いくら、付き合っていると言っても、やっぱり、あたしはそういうのを、人前でイチャイチャしているのを見るのも見せるのも好きではない。
我に返ったあたしは、思いっきり圭くんから離れた。
あたしとしては、普通だった。
だけど、それは圭くんにはとても不愉快なことだったらしく―――…
「ひっ…!」
とてもじゃないけど、彼女に向けてくるような視線ではない冷たく冷え切った視線を向けられてしまった。


