「い、いや~…、ちょっと油断したというか―――…」
「油断したじゃないっ!
今回は誠が居てくれたおかげで、危ない目に遭うこともなかったけど、何かあったらどうしてたんだよ!」
怒りっぽい圭くん。
だから、怒られることにも、実は慣れているあたし。
だけど、今日の圭くんは、いつもとは少し違っていて―――…。
微かに震えている圭くんの姿を見て、あたしは、彼にすごく心配をかけてしまったんだと心底思った。
「―――ごめんなさい…」
自然に出た言葉に、ガバッと圭くんがあたしを抱きしめてきた。
すると、彼の震えが身に沁みて伝わってくる。
ぁあ…、本当に、圭くんはあたしのことを心配してたんだ―――…。
もしかしたら、圭くんもあたしと一緒だったのかもしれない。
いくら、誠さんから連絡を受けて、話を聞いても、実際に全てが終わらないと納得できなかった。
そんなあたしの気持ちと―――…。
だから、あの時、ここに来た時にあたしの顔を見て安堵した、あの顔は圭くんの本当の気持ちだったのかもしれない。
あたしは、圭くんの胸に顔を埋めながら、その背に腕を回した。


