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「―――で?」
「ん?」
扉のほうをずっと見つめていたあたし。
すると、近くから聞こえる低い声に、あたしはすぐ振り返った。
「ひぇ!」
ギョッとするほどに眉間に皺を寄せて、鋭い視線を向けてくる圭くんに、思わず反射的にあたしは一歩後ずさった。
「な、なにかな?」
一応、にっこりと笑みを浮かべてみるものの、圭くんの表情は変わらない。
それどころか、さらに皺が深くなった気が―――…
「『なにかな?』じゃねぇよ!
お前な、あれだけ危ないって言っていたのに、なんで一人で帰るんだよ!」
うぅ~…。
やっぱり、その話か―――…。
なんとなく、その話じゃないかな?とは思っていたけど、やっぱり?


