「ごめんね~、元倉さん」
両手を合わせて、謝る誠さん。
だけど、横で見ていたあたしは、全然誠さんが謝っているようには見えなかった。
「ど、どういうことよっ!?」
案の定、未だに意味がわからないのか、明らかに動揺している静香さん。
それもそのはず。
だって、今まで味方だと思っていた人が、実はそうじゃないんだもの。
「俺、初めから、元倉さんの話に乗るつもりなかったんだよね~?」
「え…?
でも、ここの鍵―――…」
「うん。それは、君を油断させるため。
俺、途中で消えてた時あったでしょ?」
「・・・・・!」
思い当たったのか静香さんはハッとする。
たぶん、誠さんがトイレに行っていたって言ったあの時のことだ。
「あれね。
圭史たちに連絡を取ってたところだったんだよね」
「え? え!? え?
じゃ、じゃあ…」
「誠は、お前の誘いに乗ったわけじゃねぇよ。
ただ、乗ったフリをしただけ」
「ど、どうして!?
だって、あなたあたしのこと!」
圭くんの言葉に動揺しながらも、静香さんは今度は誠さんに詰め寄る。
だけど、詰め寄られても、誠さんの態度は飄々としたものだった。


