「そうだな―――…。
でも、『もし』なんて仮定の話ばかりをしないで、今現実には、俺は茅乃が好きで、初めは俺のことを毛嫌いしていたこいつのことが気になってはいたけど、何に対しても、まっすぐで、飾らないこいつに惹かれたのは、幼なじみだとかそういうだけじゃないから」
こ、これは―――…。
かなり、恥ずかしいぞ。
わかってる。
わかってるよ。
圭くんは静香さんにわかってもらうために仕方なく、こんなことを言っているんだって。
でも、でもね。
聞いてるあたしは、もう顔から火が出そうなほど恥ずかしすぎるんですけど!
それにしても、言われるあたしも相当恥ずかしいんだもん。
きっと、すごく自然に話しちゃってるけど、圭くんは内心、もっと恥ずかしいに決まってる。
それが、全く顔には表れてないみたいだけど。
「―――い、いや…よ………」
震える声で言う静香さん。
圭くんにしがみ付いていたかと思うと、彼女は俯いていた顔を上げると、キッとあたしのことを睨んできた。
「圭史…。
今、自分の置かれた状況わかってる?」
なに?
いきなり?
もしかして、あまりのショックに自暴自棄になっちゃってたりする?
きらりと目を光らせ、口を歪ませる静香さんは、綺麗すぎる顔のせいでより一層怖さを増す。


