だ、だって、それは………。
昔、思いっきり泣かされた記憶があったから、あたしの中の圭くんのイメージって、外見よりも泣かされたという悪いイメージのほうが強かったんだもん。
だから、好きにはなれなかった。
それだけだもん。
「そ、そんなの………!」
反論しようとした静香さんの口に圭くんは人差し指を置き、遮った。
な、なんだ?
そのすっごく気障な仕草は!?
思わず眉間の皺が寄る。
気障すぎる仕草に背筋がゾクゾクしてきたぞ。
だけど、そんなあたしとは逆に、やられた静香さんはほんのりと頬を赤く染めていた。
もしかして、あたしってやっぱり他の人とときめく感覚とかずれてる?
「これは、俺の自分勝手な言い分だ。
お前からしたら、納得がいかないことかもしれない」
「……納得なんて、いかないわ。
だって、それって、茅乃ちゃんが圭史の幼なじみだったからってだけじゃない。
あたしだって―――…」
そうだよね。
静香さんのこの言い分は、あたしにだってわかる。
あたしだって、わからないもん。
圭くんが幼なじみじゃなくて、普通に出会っていたら、圭くんの外見で好きになっていたかもしれない。
一目見ただけじゃ、人はすぐに内面まで知ることなんてできないんだから。


