「ここで出会ったんだよな。
俺と、お前―――…。
そして、ここでお前が俺のことを誘ってきた」
「え、えぇ…」
急に話を変えた圭くんに、戸惑いを見せる静香さん。
あたしも、なぜ圭くんが話を変えたのか、その意味がわからず、黙って様子を見る。
「あの時、お前、俺にどう言ったのか覚えてるか?」
「え? あ、うん…。
関係を結ぼうって言ったわ。
気持ちはいらない、体だけの関係を……。
でもね、圭史!
それは、あなたが本命の彼女は絶対に作らないからって!」
「それだけじゃない。
お前は言ったんだ。
体だけの関係を結ぼうと言う前に、俺の容姿は魅力的で、ずっと前から目をつけていたって」
「あ…」
まずいと思ったのか、静香さんは両手で口を押さえた。
なぜかはわからない。
だけど、圭くんは自分の容姿にだけ近寄ってくる女の人のことに対してはかなり敏感な気がする。
「そ、それは、言葉のあやよ。あたしは……」
「別にお前だけじゃねぇよ。
昔から、そうやって言われるのは慣れてる。
でも、だからかもしれないな。
俺のことを完全否定してきて、大嫌いだって、正面から態度で表されたのは」
にっこりと微笑んでくる圭くんに、あたしの顔は赤く染まる。


