子供+大人=恋?の方程式



「なっ! 何を根拠に!」





 ヒステリー気味に叫ぶ、静香さんのことをジッと見る。


 そもそもここには拉致される形で連れてこられることになったけど、あたしは元々、きちんと静香さんの話すつもりだった。


 曖昧な言葉でいつも静香さんに話していて、それは、あたしの中で逃げの部分があったから。だけど、それじゃダメなんだ。


「あたしっ、圭くんのことが好きです!」





 意気込んで言ってしまったため、店内に響くあたしの声。


 おまけに防音設備が整っているのか、なぜか反響して自分の声が残っている感じがして、急に恥ずかしくなってきた。


「なっ! 何をいきなり!」





 恐らく、あたしの今の言葉は静香さんからしても、すごく予想外の言葉だったみたいで、目を三角にして怒り出す。


 なんか、いつも余裕な雰囲気の静香さんばかりを見ていたから、ちょっと新鮮だったりする。


 そして、そのすぐ前にいた圭くんは「プッ」と噴出した。


「け、圭史…!?」





 緊迫した空気が流れていたはずだった。


 なのに、一瞬にしてその空気は壊れてしまっていた。


 いきなり笑い出した圭くんに、静香さんは戸惑いの目で圭くんを見つめる。


 そして、圭くんだけじゃなく、あたしの前に立っていた誠さんまで肩を震わせて笑い出した。


「えっ!? ちょ、ちょっと…? 誠くんまでっ!」





 急に笑い出した誠さんを責めるように見てから、静香さんは、またもあたしへと鋭い視線を向けてきた。