*
それから暫くして、ガチャリという音と共に、店のドアが開いた。
あたしは、反射的に音のした方へと視線を向ける。
すると、程なくしてすらりとした足と、端正な顔をした圭くんの姿が見えた。
髪は少し乱れていて、圭くんがあたしのために焦って来てくれたのだと思うと、じ~んと胸が震えた。
キョロキョロと辺りを見回していた圭くん。
だけど、あたしと圭くんの視線が合う。
その途端。
「茅乃!」
あたしを呼ぶ声に、立ち上がりかけていたあたし。
だけど、それよりも早く、圭くんが気づかないうちに後ろにいた静香さんが圭くんに抱きついた。
「―――静香…」
「やっぱり、来てくれた………」
驚いている圭くんに、しがみつきながら囁く静香さん。
そんな光景を見るだけで、あたしの胸はギュッと掴まれているように苦しかった。
きっと、これが所謂世間ではいう嫉妬というやつなんだ。


