「安心してよ。変なものは全然入れてないから」
あたしの心情を感じ取ったとばかりに、笑いながら話す静香さん。
だけど、そうは言われても、それを素直に聞きいれてしまっても大丈夫なのかな?
喉は渇いてる。
だから、目の前に出されたオレンジジュースはとても魅力的なのは間違いない。
だけど―――…、飲む気にはなれない。
だけど、静香さんはあたしが飲まないことに何かを勘違いしたのか、「あ、そうだ!」とパチンと両手を合わせた。
「ごめんなさいね。
手を拘束されている状態で飲めないわよね」
じゃあ、解(ほど)いてくれるのかと思えば、静香さんはカウンターで探し出したかと思えば、ストローを持ってきた。
「ほら、これなら飲めるでしょ?」
にっこりと微笑まれても、微笑み返すことはできません。
ちゃんとストローも飲み口が曲がるタイプのものを持ってきてくれたけど、そもそもそういう理由で飲んでなかったわけじゃないんだから。
オレンジジュースを前にして、しかめっ面をしていたあたし。
だけど、静香さんは「あれ?」と言いながら、辺りを見渡した。
「ねぇ、誠くんは?」
「え?」


