「フンフフンフフ~ン♪」
鼻歌なんて歌っている静香さんを見る限りでは、全然思ってないんだろうな。
あたしは一応、逃げるつもりは無いけど、結ばれたストールが解けるか、手を動かす。
だけど、すごくきつく結ばれているのか、全く外れる気配はない。
どんだけ、きつく結んでるのよ!
結ばれたところ、さっきからちょっと痛いし。
自分の今置かれているこの状況に、あたしは溜息を漏らした。
それを見て、後ろでクスッと笑う誠さんを見て、あたしは軽く睨んだ。
「おっ待たせ~♪」
うきうきとした声で目の前に出されたもの。
それは、氷の入ったオレンジ色の物体だった。
普通に考えるとオレンジジュースだけど、状況が状況なだけに、あたしは怪訝な表情で静香さんに尋ねた。
「―――これは何ですか?」
「見てわからない?
オレンジジュースよ。
ここはクラブだから、お酒でもと思ったんだけど、ほら、茅乃ちゃんは一応未成年だから。
ね?」
それは、そうですが………。
きっと、入れてくれたからには、『飲め』ってことなんだろうけど―――…。
状況が状況なだけに、何か変なものでも入れられてるんじゃないかと勘ぐってしまう。
ジ~ッとオレンジジュースを見ていると、クスッと静香さんが笑うのがわかった。


