「圭史、来てくれるんだって❤」
まさしく、語尾に❤マークをつけて、ご機嫌に言う静香さん。
こんなことをして、圭くんに余計に嫌われるってわからないのかな?
目の前で嬉しそうにしている静香さんを見ていると、そんなことは一ミリも考えられないんだろうな…と思った。
口に笑みを浮かべながら、あたしに近寄ってきた静香さん。
すると、静香さんは自分の首元に巻いていたストールを取り外した。
な、なに?
意味深な笑みを浮かべる静香さんを見て、あたしは思わず警戒する。
だけど、すぐ横では誠さんが居て、どうすることもできないんだけど―――…
静香さんはあたしの前に来たかと思うと、通り越して行く。
ん?と思っていると、あたしは静香さんに腕を掴まれた。
そして―――…
『しまった!』と思った時には、時すでに遅し。
あたしは、後ろ手に静香さんのストールで縛られてしまった。
これで、本当の意味で拉致されちゃったってことになるんだよね。
「あの~…」
これって、拉致されてて、恐怖に震えるところかもしれない。
だけど、性格なのか今いち危機感に乗り切れないあたしは、つい聞いてしまった。


