「あのね、真澄。

別にあたしと拓斗は修羅場ってないから」


「え~…、そうなの~? 

つまんない~…」





 つまんないって………。





「だって、じゃあ何を揉めていたの? 

言い合いはしていたでしょ?」


「まあ、それは………」


「なになになに? 

何で揉めてたの?」





 やけに聞いてくる真澄に、あたしは思いっきり頭をチョップする。


「この手帳とペンは何? 

あんた、このことを聞いて面白おかしく記事にするつもりでしょ!」


「ちっ、ばれたか………」





 ぺろりと軽く舌を出す真澄。


 全く、「ばれたか」じゃないわよ。


 何でもかんでも面白い話はすぐにネタにしちゃうんだから。