「どうしていきなりそんなことを言うの?」


「どうしてって―――、面倒くさいことになりそうだから?」





 なぜか、疑問系で言ってしまったあたし。


 だって、拓斗が圭くんに電話をしちゃうと、圭くんはきっと心配すると思うし………。


 実は、私としてはそれなりに自分で決着をつけたほうがいいかな?


 なんて、ここ最近思っていた時にこの状況に陥ったわけで………。


 なのに、一人で決着をつけようと思っていたのに、圭くんに知れちゃうと、元も子もないというか………。


「面倒くさいって何? 

あたしは、あなたときちんと話したいの! 

それに、圭史ともっ!」





 なぜか、怒らせてしまったみたい………。


 でも、圭くんともって………。


「まさか、圭くんを呼ぶつもりですか!?」


「えぇ、そうよ。

あなたがあたしと居るとなると、圭史は必ず来てくれるわ。あたしに会いに―――…」





 両手を硬く握りしめて、あさってのほうを見つめる静香さん。


 この人、大丈夫?


 だって、それって、あたしを人質に取って強制的に圭くんを呼び出すってことだよね?


 なのに、それを、自分に会いに来てくれるって………。


 普通は、そうは思えないでしょ。