「雅紀、頼む。力を貸してくれ」
「あ、ああ。茅乃ちゃんだろ?
もちろんだ。
コウや誠にも連絡入れて、手伝ってもらったほうがいいだろ」
「―――そうだな…」
心当たりもない今の状況では、手当たり次第に探すしかない。
静香がまだ、冷静さを保っていてくれていたらいいが―――…。
だけど、茅乃を攫う時点で冷静さなんてもの、失っているとしか考えられない。
確かにプライドは高そうだったが、まさかここまで馬鹿な真似をするような女だなんて思わなかった。
「俺から二人に連絡するから、お前は彼女がどこに行くか、思い当たるところを思い出しておいてくれ」
すでに、携帯を片手に持ち、かけ始めた雅紀。
そんな雅紀を見ながら、俺は思い出す。
静香が行きそうな場所―――…。
思い当たるところなんて、一つもない。
俺は静香とはただ体だけの関係で、あいつがいつもどこに行ったり、誰と仲がいいとかも、全く知らない。
知っているのは、あいつは同じ大学で、ミスキャンパスで、後は家ぐらいだ。
それだけの情報しかないのに、思い当たる場所なんて―――…
「―――くそっ!」


