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ママに捕まらないように、部屋の中に閉じこもっていたあたし。
すると、ピンポ~ンとインターフォンが鳴った。
時間的に考えると、圭くん!
いつもなら、圭くんをお出迎えなんてしないけど、今日だけは別。
ママが余計なことを圭くんに言う前に、圭くんを部屋に連れて行かないと!
ダダダダッと音を鳴らしながら、階段を猛ダッシュで降りていくと、ちょうどドアを開けて入ってきた圭くんは驚いた顔であたしのことを見てきた。
「―――ど、どうしたんだ…?」
「あらあら。
茅乃ったら、お付き合いしてるんだもの。
圭くんに少しでも早く会いたかったのよね?」
嬉しそうに言うママは無視。
だけど、圭くんは「え?」とびっくりした顔でママのことを見たかと思うと、眉を寄せてあたしのことを見てくる。
「どうしてばれてんだ?」と、圭くんの声が聞こえてきそうだった。
とりあえず、あたしは関係ないという意思表示だけは首と手を必死に振って示しておいた。
「さあさあ、こんなところで立ってないで、上がって。
あ、そうだ。
お茶でもどう?」
「―――え?」
「ママ。
圭くんは、あたしの家庭教師に来てくれてるの!
お茶はそれが終わってからにして!」
「あらあら。
早く二人っきりになりたいのね?
あ、でも、茅乃はまだ高校生だから、一応健全なお付き合いをしてね。
早く孫の顔を見たいっていう気もするけど―――…」
このまま、話を聞いていたら、どんどんとぶっ飛んだ方向へと行きそうだから、とりあえずママはほって、圭くんに部屋に行くように促した。


