「残念。

俺、誕生日六月の二十八日だから」


「え?」


「つまり、俺はもう二十歳。

法律上も大人ってこと」





 ぼ、墓穴を掘ってしまった。


 だって、四月からだとわずか三ヶ月だよ。


 その間に圭くんは生まれていたってこと?


 く、くやしい~~~!


「そんなどうでもいいことはいいから。

さっさと勉強始めるぞ」





 べ、勉強?


 って、勉強するってことは家庭教師の話を断るという話は………


「そうだな~…。

俺が教えるからには、十番以内には入ってもらわないとな」





 圭くんはそう言った後、ニヤリと笑った。





 じゅ、十番以内って、そんなの絶対に無理ですから!


 内心ではそう思っていながらも、そんなこと口に出して言えるような雰囲気は全くもってなかった。