圭くんと、一応、想いが通じあったあの日から、一週間が経った。


 テストは全ての教科が返ってき、全部の教科の点数が前のテストから上がっていた。


 これを見る限りでは、どうやら、下がるということはなさそう。


 それどころか、かなりの成績アップも期待できるかも―――…





 そう思うと、嬉しい半面、複雑な心境―――…。


 想いが通じあったあたしたち。


 だけど、いざ付き合っているのかと聞かれると、あたしは答えることができない。


 だって、圭くん、前と全然、変わりないんだもん。





 別にどこかに行くこともなければ、電話をかけてくることも、メールが来ることもない。


 たまに来たかと思っても、必要最低限の用事のみ。


 あれから一回あったけど、その時も、ごく普通だったし―――…


「ハァ~…」





 溜息を吐いてから、ふと思う。


 あたしったら、何を期待してるわけ?


 これじゃ、あたし、圭くんのメールや電話を待ち、デートのお誘いも期待している乙女じゃない!





 気付いた瞬間、自分の顔が異様に熱を帯びるのを感じた。


 は、恥ずかしい!


 なんか、こんなのあたしじゃない!恥ずかしすぎる!





 あまりの恥ずかしさに、顔をブンブンと振ってからあたしは、机に項垂れた。





 ああ~…。


 この年になって、初めて恋する乙女の気持ちというものが理解できた気がする―――…