「もし、茅乃ちゃんが泣くようなことがあれば、僕はいつでも、茅乃ちゃんのことを奪いに行くから」
「―――それは…、一応、俺に対しての応援と受け取っていいのかな?
それとも、言葉の通りに受け取るべきか?」
「それは、圭史が考えて」
無邪気な笑顔で言うな!曖昧すぎて、気になるだろうが!
「それじゃ、僕、言いたいことは言ったし、次の講義があるから」
「え?」
「またね~!」
「ちょ、ちょっと待て! コウ!」
手を振りながら、コウは走り去ってしまう。
おい…。
この宙ぶらりんな俺の手はどうしてくれる。
おまけに、あいつの言葉の真偽も―――…
「ま、いっか…」
要は、俺が茅乃を泣かさなければいいってだけの話だ。
俺は、絶対にあいつを幸せにしてやる。
そして、そのために、俺が一番にしなければいけないこと。
それは―――…


