「こんなに目の前で好きな女が何かを怖がっているのを見て、ほっておけるほど俺は薄情な人間じゃない。
守ってあげたくなると思うのは、当然のことじゃないか?」
「圭――…くん………」
優しい声音で言われたから、つい、心を許してしまいそうになる。
静香さんが怖いとかそんな感情さえも、もうどうでもいいように思えてしまうんだ。
あたしはゆっくりと圭くんの顔を見、瞳(め)を見つめた。
ああ、あたし、嫌いのはずだったのに、やっぱりこの人が好きなんだ―――…。
目が合った瞬間、自分でもわかった。
とくんって甘く心臓が鼓動を告げたのを―――…
「―――好き…」


