「あの、今回は自分の分はきちんと払います。
この前は奢ってもらったので」
「そんなのいいのよ。
あたしのほうが年上だし―――…」
「いいえ!
払わせてください!」
なんとなく、ここで奢ってもらうのは嫌!
なぜかわからないけど、一つでも借りを作るみたいで嫌だった。
静香さんはあたしのことをジッと見てから、ハァと諦めたように息を吐いた。
「わかったわ。
それじゃ、三百五十円ね」
「はい!」
あたしは鞄から財布を取り出すと、ちょうどあった小銭を静香さんに渡した。
「三百五十円、確かに―――」
あたしから小銭を受け取ると、静香さんはレジへと向かう。
あたしもその後ろについて行った。
支払いが終わり、カフェから出ると、静香さんは髪を耳にかけながら、「それじゃね」と寂しく微笑む。
「はい。それじゃ…」
きっと、もう二度と会うこともない。
また、学校で待ち伏せなんてされてたら、それこそ怖い。
今日で、あたしとの話は済んだはずだ。
あたしは頭を下げると、静香さんと別れた。


