黙っていると、ハァとわざとらしく溜息を吐かれた。
その途端、いきなり静香さんは鞄から何かを取り出したかと思うと、テーブルの上に置く。
それを、見た瞬間、あたしは静香さんのことを見てしまった。
静香さんは、テーブルの端に置いてある灰皿を自分の下へと寄せると、綺麗な指で細いタバコを挟み、ライターで火を点けると、フッと紫煙を吐き出した。
別に、静香さんは圭くんと同じ年だし、タバコを吸ってはいけないという年でもない。
タバコを吸うことに別に悪いことなんてない。
だけど、なぜか静香さんはタバコを吸わないとばかり思っていたあたしは、意外性にただ彼女を見てしまっていた。
「なに?
タバコを吸っているのがそんなに珍しい?」
「あ、いえ…。
そういうわけでは―――…」
「そうよね。
圭史もタバコ吸ってるものね」
「は、はぁ…」
「だけど、これ秘密ね」
「え…?」
「圭史、自分はタバコ吸うくせに、タバコを吸う女は嫌いみたいなのよ。
だから、今まで絶対に圭史の前ではタバコを吸ったことがないの。
だけど、こういうことも全部無駄だったのかな~…」
「・・・・・・・」


