頬杖をつきながら、首を傾げてくる静香さんの姿はとても綺麗で、どんな人でもつい「はい」と頷いてしまうと思う。
きっと、静香さんはそんな自分の魅力をとてもよく知っている人なんだ。
あたしも、つい頷いてしまいそうになったけど、そこは気合でなんとか乗り切った。
「―――それは、できません………」
あたしは、まっすぐに静香さんの目を見て答える。
静香さんは一瞬驚いた顔をしながらも、もう一度にっこりと微笑む。
「どうして?」
「そういうことは、他人に頼むものではないと思いますし、それに、すみません。
あたしにはできません!」
「それは―――、ただ、茅乃ちゃんのポリシーに反しているから?
それとも―――…」
今までのような柔らかな声音ではない、冷たい声。
その声に、思わずビクッとしてしまう。
「圭史とあたしが付き合うことになるのが嫌とか―――…じゃないわよね?
今更」
突き刺すような冷たい声。
それに、最後に付けられた、『今更』という言葉が、責められているように聞こえた。
そりゃ、そうだろう。
あの時、あたしは静香さんにはっきりと言ったんだもん。
圭くんのことなんて好きにならないって。
それなのに、今更、やっぱり好きだなんて虫が良すぎる話だよね。
だけど、どうすることもできないんだもん。


