「お待たせしました」
そう言って、あたしたちの前にはこの店の今日のお薦めケーキとして載っていたモンブランが差し出された。
「え?
あの、あたしたち頼んでない――…」
持ってきてくれたウエイターを見て、あたしは固まる。
「け、圭史さん!?」
そんなあたしの代わりに名前を言ったのは真澄だった。
「え?
な、なんで、圭くん?」
突然現れた圭くんに、あたしは何がどうなって今ここにいるのが圭くんかさえもわからなくなる。
だけど目の前に立っているのはどう見ても圭くんで―――…
「ここ、俺のもう一つのバイト先。
ちょっと前に入ったんだけど、そしたら、茅乃たちが居たのが見えたから。
何、お前ら、この店、よく来るのか?」
「ううん。
今日はテスト週間も無事に終えたから、打ち上げも兼ねて、奮発がてら」
「あ、そうなのか?」
「うん」
そうですよ。
このお店はとても美味しいんだけど、高校生のお小遣いではそう頻繁には来れません。
だから、こういった特別な時にしか来れないんだけど―――…。
まさか、そこで圭くんがバイトしていたなんて知らなかった。
何度か来たことはあったんだけど、今まで一度だって会ったことなかったと思うんだけどな…。


