「圭史さんのおかげだね」


「へっ!?」





 思っていたことを、真澄に言われて思わずマヌケな声が出てしまう。


「何驚いてるのよ。

だって、前よりもよく解けたのなら、やっぱり家庭教師をしてくれていた圭史さんのおかげじゃないの? 

茅乃はいつもスパルタだって言ってたけど、それも身を結ぶ結果になってよかったじゃない」


「あ、そ、そうだよね…。

あはははは…」





 真澄の口から突然圭くんの名前が出たから焦っちゃったじゃない。


 真澄があたしと圭くんの今の微妙な関係を知るはずないのに。


「どうしたの~? 

なんか怪しいよ、その驚き方。

まさか、圭史さんと何か進展とか!?」





 どこから取り出したのかすでに、真澄の手にはいつも持っている手帳とペンが。


 これは、また記事か何かにするつもりだな。


「な、何もない、何も! 

それよりも、真澄は次の教科、勉強してなくていいの? 

次は真澄の苦手なグラマーだよ?」


「あっ! 

そうだった。

あたし、絶対に赤点取るとしたらグラマーなんだよね。

もう、チンプンカンプンだし。

とにかく叩き込まないと!」