キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン…











 終了の合図であるチャイムが鳴り響き、あたしはビクッとした。


 あたし、今自分で何をしていたの?


 は、恥ずかしすぎる!


 これじゃ、完璧意識してるのと一緒じゃない!


 あたしは圭くんのことが嫌いだったはず!


 それなのに―――…


「初瀬さん、答案用紙…」


「へ?」





 顔を上げれば、一番後ろの席の子が怪訝な顔であたしのことを見ていた。


「ご、ごめん!」





 慌ててあたしは自分の答案用紙をその子に渡した。


「か~やの! 

どうだった? テスト」





 試験中は筆記用具意外は教室に持ち込み禁止のため、廊下に鞄を置いていたあたしたちは廊下で談笑する。


「うん。

まあ、前よりは解けた」





 これは謙遜。


 実はいつも悩んでいた数学。


 だけど、今回は前と比べると格段と自分でもわかるほど問題が解けた。


 いつもは難解な文章問題も、何を求めているのかわかったし、面白いほどどの公式を使って解けばいいのかわかった。


 これって、やっぱり―――…