いつもなら、振り切るはず。


 なのに、できなかった。自分の気持ちもわからない。


 圭くんが想いをぶつけてくれるみたいに、自分の気持ちがわからないあたしは返すことなんてできない。





 好きかどうかなんてわからない。


 だけど、一つだけわかることがある。





 嫌いで嫌いで仕方ないはずなのに、一年後に家庭教師を続けていられないと聞いた時、あたしはすごく寂しくなった。


 ずっと、居て欲しいと思った。


 それは、好きだから?


 わからない、わからないけど―――…





 あたしは、こんな風に圭くんに触れられることが嫌いではない―――…











 この日、あたしは初めて自分から圭くんのキスを受け入れた―――…