拓斗は胸の前で腕を組むと『う~ん…』と首を傾げながら、ゆっくりと話し出した。
「圭史はさ………、
なんていうか、兄貴の話だと、
昔から顔もよくて頭もいいから、
すっげぇモテてたらしい」
「うん。そんなことはどうでもいいの」
話し出した拓斗を一刀両断に切り捨てる。
案の定、拓斗は
「はあ?」
と訳のわからないといった表情をあたしに向けてくる。
「あたしは別に圭くんの容姿がどうとかモテてるとか、そんなことはどうでもいいの。
圭くんがどんな性格かを知りたいのよ。
優しいタイプなのか、それともプライドの高いいけ好かない奴なのか」
「………そういうことかよ…」
拓斗は不服そうな顔であたしを見てきた後、ハアとわざとらしく溜息を吐いてきた。
「圭史は一言で言うと………、
俺様タイプ?」
「俺様!?」
あたしの脳内に一瞬にして、マントを装着し高笑いを浮かべているうろ覚えの圭くんの姿が浮かんだ。


