「俺はお前のことが好きなんだよ」











 告白――…。


 前にもきちんと聞いた。


 だけど、その時はからかう一つの手段か何かと思ったりした。


 だけど、今は―――…


「好きなんだ、茅乃―――…」





 いつもなら、振り切る腕。


 抱きしめられたら抵抗していた。


 だけど、切なそうに顔を歪めて言うから、あたしは振り切ることなんてできなかった。


 そして、それと同時に、あたしの心臓もおかしいぐらいざわめいていたから………


「茅乃―――…」





 切ないぐらいに顔を歪めてあたしのことを見てくる圭くん。


 そして、こんなにつらそうな表情をさせているのは、あたしなんだと嫌でも気づく。





 ジッと見つめられ、ゆっくりと近づいてくる圭くんの顔。


 その先に何が待っているのか、気づいている。


 だけど、あたしは逃げることなんてできなかった。





 ゆっくりと触れる、温かく柔らかい感触。


 それと同時に、あたしはゆっくりと目を閉じた―――…