『お前、遅いぞ――』
開口一番にそれですか。
それに、なに、その不機嫌丸出しの低い声。
そんな声ですごまれても、あたしはびびったりしないんですから!
「いろいろとあったんだもん。
それより、何?」
『着いた』
「着いた?」
『どこに?』なんて、馬鹿なことは聞かない。
あたしは時計を見てから、慌てて自分の部屋の窓から外を見る。
すると、車にもたれかかるような状態で携帯を片手に持ち、あたしの部屋を見ている圭くんと目がばっちりと合った。
「えぇ!?
もう、そんな時間?」
『ああ。
時計をよ~く見てみろ』
言われた通り、時計を見ると、時刻は確かに十時五分を表示していた。


