その途端、面白いほど、茅乃は跳ねるように反応した。


 真っ赤な顔を手で覆いながら、目を彷徨わせるその姿は明らかに小動物。


 たとえるなら絶対にウサギ。


「じょ、冗談だよね…?」


「冗談じゃない。本気」





 きっちりと言った言葉。


 なのに、茅乃は急にあたふたと慌てだす。


「な、ど、え?」





 何が言いたいのかさっぱりわからん。


 俺は茅乃の頭を鷲掴みにする。


「こら、落ち着け!」





 初めは驚いたように目を見開いていた茅乃。


 だけど、急にむぅと頬を膨らましたかと思うと、俺のことをキッと睨みつけてきた。


 そして、両腕を上へと挙げた。


「もうっ! 

誰のせいで、一体こうなったと思ってるのよ! 

圭くんのせいじゃん! 

いきなり好きとか言い出すし、わけわかんないんだもん!」





 おぉ?


 逆切れか?


「わからないって、なんで?」





 聞き返すと、茅乃はピタリと振り回していた手を止める。