「おっす!」





 すでに席に着き、誠とコウと談笑している雅紀の肩に手を置き、俺は軽く挨拶をする。


「あぁ、圭史、おはよう」


「おはよう」


「おっす!」





 雅紀、コウ、誠の順で返ってくる返事に、俺はニッと笑みを浮かべながら、雅紀の隣の席に座る。


「なんだよ、圭史。

やけに朝から機嫌いいじゃん。

お前、いつも朝はすっげぇ機嫌悪いのに」


「まあな」





 雅紀に指摘されながらも、それは本当のことだから否定もできない。


 低血圧の俺はいつも朝は不機嫌だ。


 だから、こんな風にすっきりした目覚めでいることも珍しい。


「何かいいことでもあったの?」





 おっとりと聞いてくるコウに、俺はピタリと止まる。


 そうだった。


 自分の気持ちに気付いたからには、俺はこいつにはっきりと言っておかなくてはいけないんだ。


「圭史?」





 黙る俺に、コウは首を傾げる。


 視線を感じて見ると、雅紀と誠も不思議そうな顔で俺のことを見ていた。


 何も、全員が居る前で言う必要なんてない。


 だけど、こいつらは俺たちのことを知っているし、コウは雅紀たちがいる前で宣言した。


 だから、俺も―――…。


 こいつらには知っておいたほうがいいかもしれないし―――…