俺は手で自分の顔を覆う。





 俺は、茅乃のことが好きだということ………。





 気づいてしまった途端、俺は今までにないほど恥ずかしくなってきた。


 顔にどんどんと籠もってくる熱。


 それは、きっと自分では見えなくても顔が赤くなっているとわかる。





 俺は自分の顔を手で隠しながら、ハァと溜息を吐いた。





 気づいてしまった自分の気持ち。


 だけど、俺には山のように高いハードルが立ちはだかっている。


 俺は明らかに茅乃に嫌われているのだから。





 気付きながらも、後のことを思うと溜息を吐いてしまう俺。


 別に、気づいてしまったからといって、何をすることもない。


 今は、この気づいてしまった気持ちに折り合いをつけるところから始めるしかないのだった。