「確かにあの茅乃ちゃんはかなりの美人だよな。

高校生であれってことは、大学生になって化粧をばっちりするようになってみろよ。

あれはかなりの美人になるに違いないよな」





　雅紀までそんなことを言い出す。


「だろ？　

俺、今からでもいいなら手を出しておこうかな？」





　とんでもないことを言い出した誠に、俺は「ちょっと待て」と口を挟む。


　言いたいだけ言わせておけばいいといつもならほっておくところだが、こいつのことだ。


　本気で茅乃のことを口説きそうで怖い。


「なんだよ～…。

やっぱり、圭史も茅乃ちゃんのこと狙ってるわけ？」


「はぁ！？　違う。

なんで、そんな風になるんだよ」


「だって、止めるってことは、俺が茅乃ちゃんのことを狙うことに圭史は反対だからだろ？　

それってつまり、圭史は茅乃ちゃんのことを好きだからじゃないの？」


「バッ、お前、何を言い出すんだよ」





　なんで、俺が茅乃のことを好きってことになるんだよ。


　考えが短絡過ぎるだろ。


「え？　違うのか？」


「違うに決まってるだろ。

俺は、幼なじみとして、茅乃のことを思ってだな………」


「それって、ただの言い訳だろ？」





　―――言い訳？