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「ご注文は何になさいますか?」
にっこりと営業スマイルを見せるウエイトレスさんに聞かれ、あたしは慌ててメニューへと視線を向ける。
「あたしは、ホットコーヒー。
茅乃ちゃんは?」
「へ? あ、えと……」
なんかいろいろと種類がありすぎて、よくわかんないや。
「じゃあ、あたしも静香さんと同じもので………」
「そう? じゃあ、ホット二つで」
「かしこまりました」
そう言うと、一礼して厨房へと入っていくウエイトレスさん。
あたしは、そんな彼女の後ろ姿をジッと見ていた。
「ごめんなさいね、茅乃ちゃん。
いきなり学校まで行って、驚かせちゃったでしょ」
「え?
あ、はぁ、まあ………」
確かに目の前に静香さんが居た時は、驚いたけど………。
あたしはチラリと静香さんのことを見る。
「あ、あの~…。
ところで、あたしに話って何ですか?」
わざわざ学校まで来るぐらいなんだもん。
あたしに言いたいことがあったんだろう。
なんとなく想像はつくけど………。


