「あたし、もう逃げないので、いいかげん手を離してくれませんかね?」
さすがに、この手を繋いでいるという行為が大学のお姉さま方の敵意を思いっきり受ける原因だと思うんだよね。
明らかに、何か関係がありますという感じだし。
もちろん、あたしと圭くんの間に甘い関係なんてものは何一つ存在しないが、向こうはそうは思ってくれないだろう。
女の嫉妬は怖いしね…。
なのに、圭くんはあたしのそんな気持ちなどわかろうともしない。
「なんで?」
暢気にそんなことを聞いてきやがった。
なんでって、少し考えればわかるでしょうが!
第一、圭くんは自分がどれほどモテるのかということを認識しているはず。
それなのに、わからないなんてことはないと思うんだけどな。
それとも、男の人というのは、そういうことには疎かったりするのか?
「とにかく、手を離して。
繋ぐ必要なんてないでしょ」
「この大学は広い。
もし、迷子にでもなったら困るだろ?」
ニヤッと笑う圭くん。
こいつ、完璧バカにしてる。
それにね、あたしは小さな子供じゃないんだから、簡単に迷子になったりはしません!


