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別に学校見学なんてしに来たわけではない。
本当の目的は圭くんの情報を得るため。
それなのに、なぜかあたしは圭くんにがっしりと手を掴まれ、校内を案内されている。
只でさえ、高校の制服を着たあたしたちが、私服ばかりの大学にいることは目立つ。
なのに、行く先々で女子学生の視線が痛いこと痛いこと。
その原因はあたしの腕を掴んでいるこの男のせい。
どうやら、圭くんは大学内でも、相当にもててるみたい。
それに、なぜかコウさんも一緒についてきてるし。
コウさんもカッコいいもんね。
そんなあたしたちが集団で歩いてるんだ。
人の視線を集めるのは仕方がないこと。
「あの~…、圭くん?」
未だにあたしの手を掴んでいる圭くんにあたしは声をかける。
「なんだ?」
圭くんはあたしにだけ聞こえる声で聞いてくる。
それは、いつものあたしの前で見せる圭くんだった。


