「あ、えっと…コウさん。
圭くんのお友達の方」
「ああ、圭史の………」
「もしかして、茅乃ちゃんたち圭史に会いに来たの?
圭史ならまだ講義室に居たから、呼んで来ようか?」
今すぐにでも走り出しそうなコウさんの服の袖を掴んで、「だ、大丈夫です!」と必死に止める。
冗談じゃない。
圭くんの情報収集にやってきたというのに、本人を呼ばれちゃ元も子もあったもんじゃない。
そんなあたしの必死な姿に、コウさんは何かを勘付いたみたい。
「もしかして、訳あり?」
優しそうな裏には何もないような爽やかな笑顔。
その笑顔につい暴露してしまいそうになるけど、あたしは首を横に振ろうとした。
だけど、その時―――…


