「いきなりなんなんだよ。
びっくりするじゃねぇか!」


「あんた………」





 据わった目で俺のことを見てくる母さん。


 なんかよくわかんねぇけど、怒ってる?


「断るって言うの?」


「いや……、だから、
俺にもいろいろと都合というか予定というか………」





 母さんはフゥ~…と息を吐いたかと思うと
「わかったわ」と呟く。


 そして、ジロリと俺のことを見てきた。


 なんとなく…、嫌な予感が………


「あんたがそういうことなら、
母さんも残念だけど考えなくちゃいけなくなるわね」


「はあ?」





 考えるって何を考えるっていうんだ?


 この話の流れからして、絶対に俺にとってよくないことだということはわかる。


 一体、何を?


 俺は母さんの言葉に耳を傾けた。


「一人暮らし」


「一人暮らし?」





 思わず聞き返す俺。


 だけど、なんとなく嫌な予感にその先の最悪な言葉を想像してしまった。


 その途端、今度は俺がバンッと机を叩いて立ち上がる。