「じゃあ、今からお前の家に電話を入れて少し遅くなるけどって電話を入れてやるよ」


「えっ!? 

そ、そんなことはしなくても!」





 目に見えて慌てだす茅乃。


「お前、門限なんてないだろ」





 何も言い返せないところ。


 それどころか、その顔で丸わかりだ。


「お前、その顔は『その通りです』と言っているようなものだぞ」


「え? 嘘!」





 慌てて自分の顔を押さえる茅乃。


 だから、そういう行動がより一層、「その通りだ」って言ってるようなものなんだって。


 本当、こいつはわかりやすい奴だな。


「つーことで、夜景は決定な」


「えっ!?」


「あ、でも、一応、家には電話を入れておくか。

俺、一応、家庭教師ですから」





 ニヤッと笑ってやると、茅乃は悔しそうに俺のことを睨みつけてきた。


 本当、こいつってからかえばからかうほど、面白い奴。