「茅乃ちゃんもお願いしますって」





 予想外の答え。


 茅乃、OKしたんだ………。


「だから! ね?」





 そうは言われても、即答はできなかった。


 茅乃がOKしたという事実も信じられなかったし。


 それに、せっかく一人暮らしをしているのに、週二のペースで家に帰ってくるのも面倒だった。





「う~ん………」





 正直、今のカフェのバイトはかなりの高収入だった。


 融通もかなり利いてもらえるし、俺としては働きやすい。


 今のこのカフェのバイトだけでも、俺には充分な収入があった。


 来年からゼミに入らなくてはいけないことも考えると、ここで無理にバイトを増やす必要も………。


「俺、来年からゼミに入らなくちゃいけないだろ? 
それを考えると、今、バイトを増やすのはな………。
途中で投げ出す形になるかもしれないし………」





 渋っていると、突然机を両手でバンッと叩かれる。


 突然のことで、びっくりする俺。


 な、なんだ?


 あまりにも勢いがありすぎたのか、コーヒーがすごい波を立てて揺れていた。